eスポーツ元年も理解浸透度は低い
eスポーツをやらない理由
実質的効果のでるゲームの関心は上昇傾向
スポーツ経験のある人はeスポーツへの理解度は高い
主な調査結果と考察
調査結果と考察は株式会社NTTデータ経営研究所のものです。
僕の考えは「エノタカの意見」です。
1.eスポーツの認知・理解度
「内容について、どのようなものか知っている」という内容理解率は、男性の20代から40代で高く、男性20代では45.4%、男性30代では50.0%、男性40代では47.5%に達している。
また、eスポーツに対して抱く印象についての質問で、最も多かった回答は「新しい、先進的(29.8%)」であった。「どのようなものか、イメージがわかない(26.0%)」を除くと、次に多いのが「楽しそう(22.5%)」であり、ポジティブな印象を持っていることが分かる。一方で、「一部の人が没頭している特殊な趣味」(17.9%)や「不健康そう」(15.2%)といったネガティブな回答も目立つ。
若い世代ほど、ポジティブな印象がネガティブな印象を上回っており、その境目は、男性は40代、女性は30代となっている。男性では、eスポーツの内容についてよく知っている若い世代は、ポジティブな印象を持ち、内容を知らない人はネガティブな印象を持つ傾向がある。
2.ゲームの実施状況
趣味にゲームが含まれる人に対して、実施するゲームにおける対戦要素の有無を聞いたところ、「ヒトとの対戦要素はなく、一人で進めることができるゲーム」との回答が84.4%を占めた。対戦要素のない一人で進めることができるゲームが多く選ばれており、「対戦型」が前提となるeスポーツ系のゲームはあまり実施されていないことが分かる。
調査では①ストラテジーゲーム、②シューティングゲーム、③レースゲーム、④格闘ゲーム・格闘アクション、⑤スポーツゲームを「eスポーツ系ゲーム5種」と定義しています。
僕がeスポーツの浸透で懸念するのは、初心者を排除するという点ですね。
3.フィジカルスポーツとeスポーツの関係
具体的には、スポーツ活動の習慣がある人の内容理解率(45.9%)は、習慣がない人の内容理解率(27.0%)を上回っており、スポーツ活動の習慣がある人のポジティブな印象(60.9%)は、習慣がない人のポジティブな印象(36.3%)を上回っている。
eスポーツは、ゲームの一種ではあるものの、「スポーツ」という言葉を使っていることで、スポーツに馴染みのある人の関心を惹き、印象を良くしている可能性がある。
なお、本調査では、スポーツ実施頻度別、実施している競技別にeスポーツ系ゲームの実施状況についても分析したが、特に相関が認められなかった。
スポーツ嫌いの人もいますので、あまり関係がない気もしますが、僕はスポーツをしているので特にeスポーツに抵抗はなかったですね。どちらかというとゲームの世界でビジネス臭を感じるのが苦手ですw
4.eスポーツ系ゲームを始めたきっかけと継続理由
始めたきっかけと継続率の関係をみると、ゲームの種類によって異なる傾向が現れます。ストラテジーゲームは、「他人から誘われて始めた」人の継続率が高く、78.7%が現在でも半年に1回以上やっている。スポーツゲームと格闘ゲーム・格闘アクションは、「広告や記事、番組で紹介されているのを見た」ことをきっかけにやり始めた場合でも継続率がそれぞれ55.3%、64.4%と比較的高い傾向が見られました。
また、継続理由としては、いずれのゲームでも、「暇つぶしになるから」という理由が最も多い。ストラテジーゲームは「キャラクターが育つことが楽しい、キャラクターへの愛着があるから」、その他のゲームは「ストレス発散になるから」が2番目に多い。
eスポーツ系ゲームは、現状「暇つぶし」の用途が中心であり積極的な継続理由をみつけることが難しいが、少なくとも「暇つぶしになる」レベルのコンテンツの面白さがあれば継続してもらえる、ともいえる。ストラテジーゲームのように、ネットワーク外部性があるコンテンツは、ロックイン効果が働いている可能性も考えられます。
全てのゲームが暇つぶしという感覚ですが、時間をかけるゲームとしての共通点はやってみて面白いゲームですね。ストラテジーゲームは勝敗を決めるゲームのことですが、やはり勝つと嬉しいので出来るだけ勝てるようにレベル別はあった方が良いと感じていますね。
5.eスポーツ系ゲームをやらない理由、やってみたいゲーム
eスポーツ系ゲームをやったことがない人の趣味が何かをみてみると、旅行、ショッピング、グルメ・食べ歩きといった行動型の趣味、音楽鑑賞、映画鑑賞、読書といった伝統的なコンテンツ型の趣味が多いことがわかる。これらの趣味を好む人にとって、eスポーツ系のゲームの魅力をどう伝えるかが課題であると考えられる。
現在のeスポーツ系のゲームにはない「新しいゲーム」への興味を聞いたところ、「学習力の向上や認知症予防など、脳に良い効果をもたらすゲーム」(23.8%)、「カロリー消費を伴うゲーム」(18.6%)、「将来に役立つ知識や教養がみにつくゲーム」(17.6%)が上位となり、実質的な効果が出るようなゲームへの関心がある程度認められた。
以上の分析から、eスポーツ系ゲームをやらない人に対するアプローチとして、興味を刺激し、魅力を伝え、新たな付加価値を創出することが重要と考えられる。
また、自身の子供がeスポーツをやることについてどう思うか、という質問では、「子供がやりたいことであれば、やるべきだと思う」という中立的立場が38.8%で、「好ましくないと感じる」の24.4%を上回った。子供がやりたいと思うような魅力を作っていくこともeスポーツ市場の拡大には有効と考えられる。eスポーツに関心が低い層や子供を取り込み、日本におけるeスポーツ市場を発展させるためには、教育・ヘルスケア産業との連携強化も有効ではないか。
本調査では、以下のゲームを「eスポーツ系ゲーム5種」として調査を実施した。
① ストラテジーゲーム:勝利のためによく考え、戦略を練ることに重点を置いたゲーム
② シューティングゲーム:弾丸、レーザー、矢などの飛び道具を操作して、敵機や的にあてるゲーム
③ レースゲーム:主として乗り物を操縦して競争を行うゲーム
④ 格闘ゲーム・格闘アクション:主にプレイヤー同士が操作するキャラクターが戦うゲーム
⑤ スポーツゲーム:画面上の選手を操作し、サッカーや野球等の試合を行うゲーム
また、次世代eスポーツゲームとして発展しつつある「現実世界とバーチャル世界を融合して行うゲーム(ARやVR機器を装着し、自分の身体の動きと連動して行うゲーム)」に関しても、一部調査を行われました。
調査結果の詳細は、「NTTコムーeスポーツへの興味関心・eスポーツ系ゲーム実施状況に関する調査」よりご参照ください。