株式会社カドカワが11月8日発表した2019年3月期 第2四半期決算説明資料(2018年4~9月期決算)によると、カドカワ傘下のドワンゴが運営する「ニコニコ動画」(ニコ動)の有料会員である「プレミアム会員」数は9月末で194万人となりました。
ニコニコ動画といえば、ゲーム・アニメから将棋・政治経済番組、動物、踊ってみた・歌ってみたなど、 独自コンテンツが多く、気軽にコメントを投稿できて、流れるコメントで視聴者同士の程良い一体感を生み、急激にユーザーを増やしました。
ニコニコ動画プレミアム会員減少中(2016年3月より)
しかし、そのニコニコ動画では、有料の「プレミアム会員」が2016年3月の256万人をピークとして減少が続いています。2018年6月末からだけでも約6万人減少となり、200万人を割る結果になりました。
ただ、プレミアム会員の年代別シェアを見ると、10代の若い世代が伸び悩んでいる印象はありますね。多くの若者は、お金がない事もあり、無料のYoutubeなどに移行しがちです。
もっとも最近ではYoutubeも広告なしの月額サービスを開始しましたね。
ニコニコ動画のプレミアム会員の会員減少理由は、有料会員のメリットが少なすぎる点です。
現在のニコニコ動画「プレミアム会員」のメリットは以下の通りです。
・低画質モード回避混雑時の『低画質モード』を回避し、高画質のまま視聴できます。ニコ割時に動画を停止しない動画の視聴中に挿入される『ニコ割』(時報やアンケートなど)時に動画を停止しません。(一部の重要なニコ割は除く)
・生放送も後から視聴(タイムシフト視聴)できます。
・動画配信が無制限にできます。一般会員は50件まで。
・混雑時には、優先視聴できます。
・各種機能の上限数アップ
・動画をお気に入り登録できる『マイリスト』登録数が100件から25000件になります。
・90日前までに見た動画の『視聴履歴』保存件数が50件から100件になります。
・過去のコメントを保存しておける『マイメモリー』登録数が50件から250件になります。
・指定したユーザーのコメントを表示しない『NGワード』登録数が40件から200件になります。動画広告を非表示に動画再生前に再生される広告が非表示になります。(一部動画を除く)
他にもiOS版/Android版niconicoアプリでの特典バックグラウンド再生、倍速再生、広告非表示など、様々な特典があります。 他特典詳細は「こちら」
Amazonのように有料でしか見られない独自の動画を用意するなど無料版との大きな違いが限りは会員数が大きく増えることはないように思います。これで月額540円かかりますので、お得感があまり感じません。
そもそも、Youtubeなどでは無料で無制限に動画があげられますし、ニコニコ動画混雑時でもミラー放送で見ることができます。プレミアム画質もこだわらなければそれ程かわらない気もします。
ゲーム実況に関しては、Twitchや、Youtubeに移行し始めていますので減少は避けられない状況ですね。
もはや誰でも知っているアマゾンプライム(アマゾンの有料会員)は物凄いお得感があって月額400円(年間だと3900円)です。アマゾンの有料会員は、商品がアマゾンで安く買えるだけはなく、音楽や、漫画含めた本、映画が聞き放題。
Amazonオリジナル作品もあり、しかも1ヶ月間無料です。
ニコニコ動画はオワコン?
ニコ動は終わりなのか?と思うかもしれませんが、データ上では、まだ大丈夫だなという印象です。なぜならプレミアム会員は伸び悩んでいますが、ニコニコチャンネル会員(※)の有料会員数は伸び続けているからです。
結果的には、有料会員数は合わせて278万人となっています。
(※)ニコニコチャンネルとは、企業や団体、一般ユーザーが動画や生放送などを配信できるサービスで、有料チャンネルの場合は、配信者が課金収益の83%を受け取ることができます。
とはいえ、ニコニコ動画を含むWebサービス事業の4~9月期売上高は、前年同期比10.2%減の138億2800万円、かつ営業損益は1億円の赤字ということもあり、これからの奮起に期待しています。